┃蓮池/空
┃枝/落葉
┃水没林/秋の食卓
┃水没林/樹根
┃池畔/水没林
武蔵野の面影を今に伝える三宝寺池。貴重な植物群は、国の天然記念物に指定される。周辺には江戸の水源として井の頭池、富士見池、善福寺池など豊かな水を湛える池が点在する。
水面には燕子花が一面に咲き乱れたという。湧水の枯渇、水質汚染、水温上昇・生活環境の変化により植生は変化している。風景は野生ではなく人により時間をかけて調整されている。
雨上がりの早朝。中ノ島の樹林群は彼岸を思わせる幽玄の世界を現出させる。水上に根を張る木々は重力から解き放たれ、生と死のはざまで浮いている。はるか太古から同じ姿なのか、今この瞬間生じた無垢の姿なのか。
石神井川に挟まれた小高い池畔には、この地域を支配した豊嶋氏の居城があった。戦国時代、大田道潅に攻められ落城。城兵は闇にまみれて四散、照姫が入水したと伝えられる悲しい物語がある。
水辺に浮かぶ木々を見ていると富沢遺跡の旧石器時代の樹林を想起する。2万年の永きに渡り地下水に満たされ豊かな土壌に守られてきた樹々の姿は時間を超越する何かを我々に訴えかける。それと同質なものがここにあるような気がした。
┃三宝寺池