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小泉設計一級建築士事務所 東京都 練馬区 設計事務所 住宅 住まい すまいの設計
話題  小泉設計一級建築士事務所

業務  小泉設計一級建築士事務所
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経歴  建築家 小泉文人
実績  小泉設計一級建築士事務所
活動  小泉設計一級建築士事務所
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┃ villa savoye Le Corbusierへのオマージュ
LE CORBUSIER VILLA SAVOY ル コルビュジエ サヴォア邸
近代建築の金字塔

サヴォア邸は第2次世界大戦前の1931年に完成した、ルコルビュジェの創作活動初期の白の時代の最後をかざる住宅です。「住宅は住むための機械である。」「近代建築の5原則(ピロティ、屋上庭園、自由な平面、横連窓、奔放なファザード)などの言葉に示された当時の新しい時代の感覚を具現化した作品です。最も有名な近代建築の住宅作品に位置づけられ、時代を超えて今もなお、多大なインスピレーションを与え続けています。敷地は、パリ郊外のポワッシー(POISSY)に位置し、フランス政府の管理で一般にも公開されています。サヴォア邸とは、という問いに私なりに答えれば、明快な幾何学により綿密に考えられ、人に感動を与える豊かな詩情あふれる空間があります。その空間の持つ普遍的な輝きは、盗んでくれといわんばかりにものづくりをする眼前に差し出されています。そこには簡単に手が届きそうですが、なかなか届かないのです。

LE CORBUSIER VILLA SAVOY
地上に舞い降りた立法体

21.5m×19mの方形の居住部分からなる立方体は、4.75mの柱間を基準とする4スパンのグリットの柱により地上から切り離されています。完成時の写真からは周囲を深い緑で囲われ広い草原に降り立った宇宙船のようです。広がりのある理想的な敷地に美しい幾何学で構成された300uを超えるヴィラ-これが週末住宅というから我々の住宅意識とかけ離れた豊かさが背景にはあるようです。ル コルビュジェは全体のプロジェクトに比べ実施作品の数が少ないため、クライアントに恵まれなかったという印象を受けますが果たしてそうだったのかと。


そこに行けば何かがある

ル コルビュジエの建築を訪れて感じるのは、歩みを進めると共にたち現れてくる空間の豊かな変化です。建築的散策路。サヴォア邸の場合、1.ピロティ:細い柱によって持ち上げられた立方体の下の薄暗い外部空間〜2.ロビー:パリ郊外から乗りつける車の転回に合わせた曲面で囲われたガラス空間、ピロティーの外部化された内部空間〜3.スロープ:平面中央にに配された首魁への動線、正面の壁から折り返すとテラスからの外光の入る明るい空間に変化〜4.2階ロビー:テラス側は壁を立て空間を分節する一方で階段の背景部分に大きく開口をとり光の変化と、彫刻的な階段の演出〜5.主室:光にあふれた三方を窓で囲われた空間〜6.テラス:壁に囲われ内部化された外部空間〜7.外部スロープ:囲まれ感からの開放〜8.ソラリウム(屋上庭園)へと至る一連の空間移動により濃密な空間の豊かさを体験します。この豊かさの背景には平面を原動力とした個々の建築要素の用意周到な配置があります。平面の絶妙なバランス感覚の上に成り立つ場面転回の物語。住宅におけるパブリックゾーンの豊かな創出-スロープと階段の上下の動線前後のたまりのスペースが他方向に外部、内部空間とつながっていることや人を方向転換させる動線を挿入し、そのとき空間の変化を仕掛ける旨さはル コルビュジエの建築の質を特徴づけています。



空間の相互貫入


ル コルビュジエの豊かな空間の特徴のひとつである内部空間と外部空間の相互貫入という視点は、前述のそこに行けば何かがあると思わせる仕組みの重要な切り口です。内外空間の相互貫入の手法は大きく二つに分類できます。ひとつは内部空間をガラスなどにより視覚的に外部空間と連続して開放させて内部にいながらあたかも外部にいるような視覚的効果を得ようとする「内部空間の外部化」。もう一方はそれとは逆に、外部空間を壁や屋根を設けて囲い、ある限定された領域を作ることにより内部空間のような落ち着いた感覚をつくりだす「外部空間の内部化」。大きくこの二つの方法によって、内部・外部空間を相互貫入させ、特別な広がり感を獲得したり、独特の空間の質を作り出しています。



外部化された内部


サヴォア邸においては、1階と2階の構成では異なる空間の貫入の手法が使われています。1階の曲面で囲われたガラスのロビー空間は、ピロティーの下の外部化された内部空間となっています。これは丸柱のグリットによって規定されるピロティーの内部・外部の連続性を意図していると思われます。短冊状に細かく分割されたガラスのR曲面は、純粋に透明なスクリーンとは言いがたいですが、周囲に広がる外部空間とつながってゆく内部空間をつくりだしています。ただし、持ち上げられた立方体の下の限定性をもった外部空間との関係においてですが・・・。コルビュジエの数多の建築の中で、この内部化された外部空間のあり方を明快に表現している部分はあまり見受けません。ル コルビュジエにとっては、壁の存在が最も重要な意識だったらしく、同時代の巨匠ミースファンデルローエと異なりこの考え方が建築の主題となりえなかったのだと思います。


内部化された外部

2階は中央のスロープに面して設けられたテラスが内部化された外部空間として挿入されています。内部はほぼ3方を壁に囲まれ横連窓に隔てられ囲われたテラスに対して再び開いています。いわば外部に対して一度閉じた領域をつくり、その中でまた開くといったコートハウス的な手法が使われています。主室が外部よりこのテラスに対して大きく開かれています。壁によって適度に囲われた空間の心地よさ。これはコルビュジエのアノニマスな地中海の集落を訪れたときの空間体験に起因するものでしょうか。適度な壁に囲われた外部空間と内部のあり方はコルビュジエの建築全体を覆い尽くしています。私見ですが(巨匠に対してなにをいうかですが・・・。)サヴォア邸は水平性を強調するあまり竪の空間のつながりに少し物足りなさを感じます。1・2階のつながりはスロープと階段に絞られています。それは意図するところでしょうが、それぞれの階がほぼ完結しているため内部空間において上下階の空間の相互貫入の面白さをみる視点がないというのは少し残念な気がします。その点では、パリ市内にあるラロッシュ-ジャンヌレ邸(現コルビュジエ財団)は複雑な敷地条件のもと、決して純粋に理論の体現とはいかなかったのですが竪の空間の立体的な相互貫入が見られ豊かな内部空間を獲得している印象を受けます。これはあくまで私見ですが。

LE CORBUSIER VILLA SAVOY
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壁の建築

今回、設計の初心に還るつもりでサヴォア邸をモデリングしていて、強く感じたことは、ルコルビュジエは壁の建築家ということでした。(コルビュジエを一言でいってしまうのは大変危険ですが・・・)壁を表現する、と言いましょうかコルビュジエの創意した壁のフォルムにぐいぐい視点がすいよせられます。宙に浮かんだ立方体に開けられた横連想窓は、窓であると共に壁を改めて意識する穿たれた開口でもあります。こういった両義的な意味合いを発生させる絶妙なバランス感覚がコルビュジエの壁には息づいています。日本の伝統的な建築では壁は建物の構造的な要素を担わなかったためかその存在は控えめで、2次元の面的なありかたであり。壁に囲われた茶室においてすら壁は開口部や造作部材の地の役割にある印象を受けます。それに対してコルビュジエの壁は薄くても、図としての役割を担っているという感覚の決定的な違いを改めて実感しました。


2人の建築家のエピソード


1955年にルコルビュジエが来日し、坂倉準三先生が桂離宮を案内されました。豊かな建築的散策路を持つ桂をルコルビュジエがどのように感じるか期待していたのですが、意外なことに「桂は線が多すぎる」ということでコルビュジエの心を捉えることはなかったようです。これはコルビュジエの建築の意識が日本の伝統的な建築空間の美意識と違ったことの現われだったのではないでしょうか。一方、コルビュジエが建築の規範としたギリシャのパルテノン神殿を訪れた堀口捨己先生は、大理石でできた神殿の圧倒的なヴォリュームを見て、これは「全く違う世界のものである」。これと同じことはできない。という意識のもと、以後和風建築に傾倒していきました。限られたメディアしかなかった当時としてはこの違いは決定的なものと映ったに違いありません。
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