┃ すまいの設計 住宅設計 小泉設計一級建築士事務所 設計事務所 東京都 練馬区
┃「空間」は何よりのごちそう。
豊かな「空間」があるすまい。これこそ、多くの住宅設計者が(厳しい?)条件の中でなんとか実現したいことです。個々の部屋や外観の美しいプロポーションもさることながら、それらをつなげるあり方。歩みを進めるにつれ現れてくる豊かな変化。光と影の演出。内部と外部の得もいえぬ関係。映画を見るような美しい場面展開。時間や季節によって変わる表情。・・・等。そういった語りつくせぬ空間の魅力が、生活を彩る背景としてかけがえのないあなたの人生を演出します。すまいにとって「空間」は何よりのごちそうなのです。
┃ すまいづくりは恋愛から始まる?
そこで、あなたにとって具体的に良い「空間」とは何か、が問題になります。よい「空間」とか、理想の「すまい像」といったものは、各個人の生まれ育った環境に大きく左右されるといわれています。千差万別で、作り手の立場でも意見が分かれます。視覚的な美を追求する人、使い勝手や機能性から提案をする人、素材や質感、構造からイメージする人、音や熱環境を重視する人。・・・等。設計者・施工者は個々に得意とする持ち味があり、良いすまいづくりには自分の感覚にしっくり合う相手を見つけ出すことが大切です。恋愛と同じで一番自分にあった相手を求めることが大切です
┃ お互いの感覚のずれ
あなたが「この人なら信頼できそうだ。」という設計者・施工者にめぐり合ったならば、具体的なすまいづくりを進めることになります。ここでは感覚のずれや摩擦が生じることもあると思います。恋愛関係から夫婦になると生じる現実のずれのようなものです。あなたは今までの経験から理想の「すまい像」というものを持っています。設計者は、打ち合わせの中でその原風景を聞き出し、それに沿う形で案をまとめる努力を試みます。が、一方で要求される機能、敷地条件、使い勝手、コスト、法規、納まり、構造、素材・・・等。多くの変数をにらみ、バランスをとりながら最善の空間の提案を作ることになります。それは当然のことながらあなたの理想の「すまい像」とのずれを生み出すことになります。そのほうが良いと思ったら設計者はあえて、大きくずれた提案をすることもあります。場合によっては、あなたはこの提案を良いのか判断ができなくなります。それは、設計の段階で図面や模型、CGなどで良し悪しを判断するのは限界があることも一因です。にもかかわらず、判断を迫られます。受け入れるのか?それとも、自分の「すまい像」に固執するのかどうか?・・・。お互いの立ち位置の違いはなかなか相互理解しあう地点には到達できないこともあるでしょう。すまいづくりにはよく話し合っても埋められない部分があるのです。最後は、前述の「この人なら信頼できる。」と思うかが大切です。
┃ 自分の子供を想うように
ものづくりに携わる人間として、自らが関わったすまいは子供のように愛しい気持ちがわくものです。そういった気持ちをすまい作りに関わった人たちが共通認識として持ち合えたら・・・。良好な人間関係のもとにつくられたすまいは悪いはずがありません。理想的なすまいづくりは、すまい手、つくり手が良好な関係において初めて実現するのです。
┃ 10年後そして20年後
最後に私自身が住宅設計で重きを置く事は何かと聞かれたらこう答えます。家族とすまいが10年後、20年後どうなっているか、獏とはしていますがイメージして設計をしています。時と共に家族構成、趣味趣向やライフスタイルは変化します。昨今では家族が希薄になり、会話もままならない嘆かわしい風潮も聞かれます。しかしいつの時代にも個人の生活の基本単位としての魅力あるすまいは大切であると私は確信しています。時の経過に耐え魅力を持ち続けるすまいの基本的な強さ。10年後、20年後も何よりのごちそうであり続ける「空間」を探り続けています。可変性の高いプランだったり、増築のイメージとか、家自体が家族の成長とともに変化してゆくことも視野に入れて柔軟に考えています。そういったことをひとつひとつのすまいの設計の中で粘り強く探求を続けています。






photo by TOMOYUKI SUZUKI